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秘密

第4章 守りたい奴…


「りょ…ちゃん…

ごめ…んな…さ…

行かな…いて…りょ…ちゃ…」


いつかはこんな日がくることは

解ってたはずなのに



胸が苦しくて痛くて

たまらない…



「りょ…ちゃん…う…ちゃん…

りょ…ちゃん………ひっ…やだよ…」



そう何度も何度も

亮ちゃんの名前を呼び続ける私の背中を

すばるくんはぎゅっと抱きしめて……



「これでええねん…これで…」



そう小さな声で囁く……



そんなすばるくんの言葉に

抱きしめられた腕を振り払い



「何で…ですか?

何で…亮ちゃんに話したんですか……?

どうして……?」




すばるくんの胸をどんっと

小さく叩くと……



「お前が言うたんやんか……?

昨日俺の目の前で…

"助けて"…"苦しい"…って

何回も何回も泣きながら……」



そう言ってすばるくんは

また私の体を自分の腕の中に

引き寄せる……



「私が……?」



「そうや……

俺がお前を助けてやる……

俺がお前を守ってやるから……


やからもう

そんな風に泣くな……」



すばるくんの腕の中

亮ちゃんを失ってしまう悲しさに

胸が押し潰されて


心も体も

ぐちゃぐちゃになってしまいそうになる……



それでもなんとか

かろうじて息をしていられるのは



"俺がお前を守ってやる……"



そんな言葉に


少しだけ……


ほんの少しだけ……


救われたからなのかもしれない……
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