第4章 守りたい奴…
顔に笑顔を張り付けたまま
すばるくんのいる左側に顔を向けると
そんな私の顔を見たすばるくんは
私の頬に指先で触れると
勢いよくつまみ上げてきて…(汗)
あまりの痛さに
涙目になりながら
「なにふるんでふか!!!」
そう文句を言うと…
ふいっと私から目をそらし
「泣きたいんやったらちゃんと泣け…
お前の笑顔は気持ち悪い…」
なんて…
気持ちいいぐらいの
暴言を吐いてくれる…(笑)
手を離されてからも
ヒリヒリと痛むほっぺたをさすりながら
私から目をそらしたまま
また目の前にあるお酒を
チビチビと飲み進めるすばるくんを
じっと睨んでいると…
「あんま見るな…」
そう言ってすばるくんは
照れたように口許を隠す…
あれ…?
あれれ……?
私…解ってしまったかもしれない(笑)
「すばるくんて……
実はすごく優しいんですね(笑)」
私がつく嘘をほっとけないのも…
嘘だと解ってて亮ちゃんに言わないのも…
いつもなぜかよく目が合うのも…
きっと
不器用で口は悪いけど
その分すごく人に優しいから…
そう思うと…
苦手だと思ってた
すばるくんのまっすぐな視線も
なんだかかわいく見えてきて
ニコニコしながら
すばるくんの顔を見つめていると…
「は…お…前あほちゃう(汗)?」
なんてすばるくんは顔を赤くしながら
不機嫌に顔をしかめる(笑)
嘘が当たり前になって
辛くて…
苦しくて…
息がつまりそうだった私を…
バカだと
面と向かって言ってくれて
泣いてもいいと言ってくれる
その全部がありがたくて…
「ありがとう…」
そう小さな声で呟いた私に
すばるくんは
「今日は…思い切り飲むか…(笑)?」
そう言って
出会ってから初めての
笑顔を見せてくれた…