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秘密

第4章 守りたい奴…


みちside

あの日の

亮ちゃんの彼女のお披露目会以来

なんだか亮ちゃんに会うのが気まずくて


電話にも出られず

あの幸せな音だったはずの

"ピン…ピンポーン"の音にも

居留守を使うという


悲しい事態に陥ってしまっている…(涙)


だから今日も

職場を出たのを見計らったように

ブブブ…と振動を始めるスマホに

ため息を吐き出し

鞄に手を入れ画面を確認すると


そこにはしっかりと

"亮ちゃん"の名前が光り輝いている…



「ごめんね…亮ちゃん…」


そうぽつりと呟いて

鞄の中にスマホを落とすと



「謝るぐらいなら…電話に出ろや…」


そんな声が背中から聞こえて

驚いて振り返るとそこには


私を不機嫌に睨み付ける

亮ちゃんがいて…



「何で…亮ちゃんどうしたの…?」



あわてふためく私の腕を掴むと



「それはこっちのセリフや!

俺お前に何かした……?

何で電話も無視すんねん…?」



そう言って

なんだか捨てられた子犬みたいに

悲しそうな顔で私の顔を覗き込んでくる…




あぁ…もう本当に嫌になる…




こんな顔されたら…



亮ちゃんを抱きしめてあげたく

なってしまうじゃないか(涙)



でもそんな自分の心には

しっかり厳重に鍵をかけ…


大きく深呼吸をして



「違うよ…?

亮ちゃんのこと

無視なんかしてないよ(笑)?

ただ最近すごく本当に忙しくて……

それに今日も約束があったから…」



そう言って笑って

誤魔化してしまおうと思ったのに…



「約束って誰と……?」


なんて予想外の追求をされ



焦りに焦った私の口からは

気付くとなぜか…



とんでもなくあり得ない人の名前が

飛び出していた……(涙)
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