第4章 守りたい奴…
すばるside
「すばるくんまたみちちゃんに
余計なこと言ったんやろ…(笑)?」
あいつの家からの帰り道
俺の後ろを追いかけてきた安に
そう声をかけられ
足を止めると
優しく笑いながら安が
俺の顔を覗き込む…
そんな安の菩薩みたいな笑顔を前にすると…
「だってあいつ…
見てて腹立つやんか…?
泣きそうな顔して笑ってて
見てるこっちの方が
気分悪なるわ…!」
胸にあるもやもやが
自然と口から零れ出してしまうから
困りもんや(笑)
「うん…それは解らなくもないかも(笑)」
そう言って笑いながら
俺のとなりを歩き出す安に
「そうやろ?
誰がどう見ても亮が好きなん
丸解りやのに嘘ばっかついてんの見てたら…
なんかもうイライラして
アカンねん!」
そんな言葉を
不機嫌に吐き出すと
そんな俺を安はじっと見つめて……
「でもね……しぶやん……?
見たくないなら
見なければいいんだけのことなんやで……?
それが出来へんのは…
しぶやんがみちちゃんを
気にしてる証拠やん(笑)?」
なんて…
訳のわからんことを言いながら
ふわりと優しく笑う…
やれやれ安はまた…(笑)
俺があの嘘つきを気にしてる…?
そんな訳ないやろ…(笑)?
ただたんに俺は
あいつが泣きそうな顔して笑うんが
嫌なだけなんやから…
ただそれだけで…
それ以上ても
それ以下でもないわ…