第3章 側にいたいから…
戦に負けて
どんよりと背中を丸めて
みんながいる部屋に戻ると
すばるくんは立ち上がり
帰ろうとしていて
そんなすばるくんの後ろを
慌てて章ちゃんか追いかけていく…
部屋に残されたのは
私と亮ちゃんと
私にビンタをくらわせた亮ちゃんの彼女さん…
気まずくない訳がない(笑)
こんな地獄のような空間に
一分でもいたくなくて
一人何にも知らず
楽しそうにビールを飲む亮ちゃんの手から
缶ビールを取り上げ
「はいはい…
今日はもう終わりにしよう(笑)
てことで亮ちゃんも帰って下さい!!」
そう言って
"何でやねん…" やら
"もうちょっとだけ…"やら
文句を言う亮ちゃんを
玄関から彼女と一緒に押し出し
へなへなとその場に座りこみ
大きなため息を吐き出す…
私は亮ちゃんの側にいるために
嘘をつき通すと決めた…
それでもこんな散々な日は
何かもかも嫌になって
何かもかもどうでもよくなってしまう…
でもきっと明日になればまた
亮ちゃんの笑顔が見たくて
亮ちゃんの声が聞きたくて
バカな私はまた
辛いと解ってるのに
笑いながら嘘をつくんだ…