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秘密

第3章 側にいたいから…


「何やってんだよ……私(笑)」


そう呟きながら見た鏡に映る自分の顔は

すごく情けなくて惨めで

嫌になる……


そんな自分を今すぐ消したくて

冷たい水で顔を洗っていると



「みーちーちゃん…大丈夫?(笑)」



そんな声が背中から聞こえて

後ろを振り向くと


笑顔で私を見つめる

亮ちゃんの彼女と目が合う…



「大丈夫って…何がですか…?」


タオルで顔を拭きながら

そう問いかけると…



「だって…今泣いてたんでしょ?

かわいそう…」



なんてまっすぐに私を見つめながら

小さく首をかしげる…





「みちちゃん…

亮ちゃんのこと好きでしょ…(笑)?

すごく分かりやすいのに

なんで亮ちゃんは解らないんだろうね…?」




そんな亮ちゃんの彼女の言葉に

驚いてタオルから顔を放すと




言葉とは裏腹に

亮ちゃんの彼女の顔からは

笑顔が消えていて



ゆっくりと目の前に伸ばされた右手が

勢いよく私の頬に降り下ろされる…



突然与えられた痛みに

訳が解らず動けずにいると



「嘘つきの偽善者に

亮ちゃんは絶対にあげないよ…?

もし私の亮ちゃんに手を出すなら

私が許さないからね…みちちゃん(笑)?」




そう言って亮ちゃんの彼女は

またにっこりとした笑いを顔にはりつけ

みんなが待つリビングに

戻っていく…



一人残された洗面所の中


「何だこれ…すっごい痛いし…(笑)」



そうポツリと呟くと今度は



「派手な音やったな(笑)?」



そんな笑い声が聞こえてきた…
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