第3章 側にいたいから…
みんなを家に招き入れ
最後に部屋に戻ると
小さな我が家のテーブルの上は
食べ物や飲み物で埋め尽くされていて
亮ちゃんはきれいな彼女と
仲良さ気に話をしながらも
私の方に向かい手招きをする…
出来ることならば…
ラブラブな雰囲気を放つ二人から
遠く離れた所に座りたいとこだけれど
亮ちゃんの笑顔の手招きに逆らえず
仕方なく亮ちゃんの隣に座ると
その瞬間きれいな彼女の顔が
少しだけピクリと歪むんだのが解る…
うん…
今回の彼女は…
かなりのヤキモチやきさんらしい(笑)
彼女さんの満面の笑顔の威圧に
小さくため息を吐き出し
出来るだけ亮ちゃんから離れ
左隣に座る章ちゃんの方に体を向け
チビチビとビールを飲んでいると……
ほっといてくれればいいものを
亮ちゃんはいきなり
私の肩を引き寄せ
「みち…飲んでるか…(笑)?」
なんて鼻がくっつきそうなほど
顔を近付け話しかけてくる…(汗)!
「あ…?ん…うん…飲んでるよ?」
そう冷静を装い
必死に絞り出した声が
小さく震えてしまう…
だって仕方ないじゃないか…?
亮ちゃんの体温が
亮ちゃんの声が
こんなにも近くに感じる…
でも次の瞬間
「ダメだよ亮?
みちちゃんも女の子なんだから…(笑)」
そんな声がして
亮ちゃんの体を彼女さんの腕が
強引に引き寄せる…
顔が赤くなっていることに
気付かれなくてほっとしたのもつかの間
亮ちゃんの手が私の頭を撫でて
「みちは特別やからええねん…!
俺の親友やからな(笑)?」
そう言って笑う…
なんでだろう…?
女の子として見られないことより
親友の言葉のほうが
胸にズキンと鈍い痛みを与えて
じわじわと泣きたく無いのに
涙が込み上げてくる…
こんな自分を
亮ちゃんには見せたくなくて
急いでその場から立ち上がると
「と……トイレ行ってくる!」
そう叫んで後ろを向き
今にも零れ落ちそうな涙を
必死にこらえた……