第2章 彼等は恩人
……そして2時間後
ハナもゾロもそれぞれの本を読み時間が過ぎた
静かに終わると思われた見張り
突然ハナが本を閉じた
「……あぁ」
「?お前もう読んだのか」
「……違う」
本も途中、ゾロが読んだであろうページ終わりでピッタリハナは閉じた
「……ゾロのいう意味がわかったの」
「!」
ハナもゾロも閉じた内容、その内容を少し載せると
『彼女艶めかしく白い肌の上を滑らせ、おもむろに自身のものをあてがい__』
「……これ以上は自重して」
「誰に言ってんだお前」
「……?なんか乗り移られた」
ハナを一瞬だけ乗り移ったのは作者でした。
簡単に言うとゾロは官能的な内容は苦手なのだ
それも、男役は剣豪、でなくとも武器は刀
ゾロは推理小説にしかみえないあらすじが記されたこの本を手に取ったがそういう表現があった、と
「それにしても、なんでゾロの本はどの主人公も刀を使ったり、侍だったりするの?」
一つくらい普通の本があっていいだろうに。
「俺が選んだらそうなるだけだ」
「……なるほどね」
そこまで剣士に固執するとは
__彼らしい
「他には興味もたないと?」
「そういうことだ」
ゾロはパラパラとまともに読んでなさそうにしながら答えた
ハナはため息ついてまた再開した
突然 ゾロがこちらに向く
「?!お前……」
「?何さ」
ゾロが驚いて私を見る
ハナはページに目を向けたまま答えた
「それ、読むのか?」
「……これ?、うん」
ゾロはハナの持つ本を指さした
至極当たり前、という感じでハナは続ける
「だって一度読んだら全部読まないとモヤモヤするし……」
「……マジか」
ゾロは読む気が失せたのか、本を閉じ目頭を抑えた
ハナは構わず読む
ゾロは暫く黙り伏し目がちにしながら
「なぁ、違うの読んでくれねぇか?」
「へ?ヤだ
気にしなければいいでしょ映像じゃないんだから」
「……ぐ」
「ゾロが気にせず本を読めば済む話でしょ」
だがよっぽど嫌な理由が有るのだろうか
完全にゾロは気難しそうにした