第2章 彼等は恩人
気づけば皆、私に仕事をくれた
必要としてくれている気持ちに嬉しくなる
「皆……うん!全部する!」
「……ししし!、よし飯の時間だ〜〜!!」
ルフィは運び終わったご飯にすぐさま手をつけた
サンジはやれやれと言った様子で席につき食べる
私も席につき食事をとることにした
それにしても……
奴隷はあっても純粋に手伝って欲しいと言われたのは初めてだ
……まあ今日は
「……けっ」
「あ?なんだよ」
コイツに縛り付けられるんだが
……クソ、この野郎
「何でもないし!後で本手伝ってよね」
「……へいへい」
べーっと舌を出して馬鹿にした
ゾロは若干喧嘩を買い口喧嘩をしている
「……???アイツらなんかあったのか?」
「さあ……寧ろ仲がいい?」
ナミとルフィが首をかしげていると
「違う!!こんなマリモと誰が仲良くするもんか!」
「あぁ?!?!テメェ1回しめて……!」
「おいゾロ!ハナちゃんになんて口きいてんだ!」
「本当サンジと大違いだよね」
「おいどういう意味だ!」
今日もまた賑やかになりそう
そう思いながらほかの皆も食事に手をつけた
…
「……この本もいいな!」
「テメェいつまで選ぶ気だ」
「全部運ぶといってたでしょ、これくらい余裕でしょゾロ?」
「っぐ」
ハナとゾロは図書室に来て本を借りていた
……勿論みんなに貸してもらえる許可は貰えた
ルフィの本が一つも無いのは面白いが。
ゾロに荷物番をしてもらい次々と彼の手に本を乗せる
一つの本に目がいった
「……ん、推理小説?」
名前は『誘いの罠』
一件なんだかわからないが、
あらすじを見る限りどうやら推理小説らしい
「……あぁそれ俺のだ」
「ゾロこんなの読むの!?」
「……悪いかよ」
そう言われてもゾロの棚は刀やワノ国についてで沢山
……いやよく見るとこの本も
「……それも俺のだ」
「意外……でもこれあんまり読んでないね」
「ん?あぁ、読む気無くして……ってなんでわかった」
「だってページの端が途中で新品みたいに真っ直ぐだもん
ゾロって多分汗がついた手でよんでるから本も痛みやすいし」
その本だけでそんだけわかるのか……
とゾロは若干ひいた
「力を節約してるの、わかる?」
「あ、あぁ……」
ハナは引き気味のゾロに不快で
また本を乗せた