第2章 彼等は恩人
ゾロはなんとなく起きていることが
バレないように寝てるふりをした
……ハナは暗い顔をしている
なんでだ?
アイツ、もしや仲間になることに不満を?
それとも__
「明日サンジになんて辻褄を合わせようかな……」
……辻褄?どういう意味だ?
「……楽じゃないな、これも」
楽じゃない?
__何の話をしてるんだ?
疑問を持っているとハナは再び歩き始め
キッチンの方へと消えていった
__2つグラスを持って。
テーブルをチラリと見る
……2席分のグラスが足りない、一つはハナ……あの席は……!
「あんの ぐるぐる眉毛!」
あのバカ!
ハナがそういうやつだとは思ってなかったが……よりによって一番効くアイツに……色仕掛けをしやがった!?
いつもだとほっとくものの、ハナはまだ信用できない
ゾロはすぐさま外へ出てサンジを探した
「……おいダーツ!おい……って!」
甲板の方を見ると手すりにもたれるサンジを見つけた
……死んでる!?
ゾロは急いでサンジのもとへむかい肩を揺さぶった
だがサンジは一向に覚まさない
「おい!おいしっかりしろ!」
「……ぐぅ」
「……あ?」
聞こえたのは腑抜けたいびき声……寝てただけかよ!
ゾロは掴んでいた肩を横へぶん投げた。サンジの頭と手すりがあたり、ゴチン と音がしたがそれでもサンジは寝ている
こいつ何の夢みてんだか
……でも途中からそんなに酒を呑んでなかった筈だ、ここまで酔ったのか?アイツが?それもそれで変だ
ゾロはサンジを置き去りにしてもう一度食事場所へ戻った
思い切り音を鳴らしてドアを開けてからハッとしハナのことを思い出す
バレた!?……と思ったが返事がない
今更だがドアを半分閉めて覗いてみる……ハナがいた、が
「……すぅ」
「……アイツも寝てる?」
どうやらハナは席に座ってそのままテーブルに突っ伏し寝てしまったらしい
隠れる意味もないのでそのまま開けてハナの近くに寄った
「……まさか眉毛について行った結果こうなるとはな」
今日は何かと出来事が多すぎる
「……すぅ」
「呑気に寝てやがる……なぁ、なんでお前は目だけ笑わねぇんだ?」
「……」
返事なんて帰ってこない
そらそうだ、寝てるし