rain of conflict【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of conflict
「は・・ぁぁ・・、あ・・っ・・・ん・・」
「・・・・・・」
――――それは何気ない日常。
一人で過ごす、自分の部屋、ベッドの上。
寝慣れたシーツに包まれようとも、一人が寂しくなる夜があった。
耐えはしてみせるのだ・・・。
それでも、ふとどうしようもなくなったときには、その寂しさを忘れるために自ら慰めた。
一日だけなら許されると思った。
が、自らに課せたその制約は、気が付けば自ら一瞬で破っていた。
身体も心も・・・更に贅を望み、享楽を求め、夜な夜な耽ることでしか、名無しは一人でいる寂寥感を紛らわせなかった。
『ん・・・・、ぁ・・』
頭に浮かぶのは、ナッシュの姿ばかり。
耳元で囁かれた沢山の言葉を思い出しては、目を閉じて、彼の幻影に何度も抱かれた。
達く時に思い出すのは、射精を目前にした、いやらしさの漂うナッシュの扇情的な顔だ。
眉を顰め、その色の白さゆえに目立つのは、ほんの僅かに紅潮した頬。
欲望を吐き出す瞬間のナッシュは、本当に色気の浮き立つただの雄だった――――。
「っ・・・、・・んん・・」
そんな彼を想って耽っていることなど、口が裂けても言えなかった。
けれど今名無しは、その彼を目の前にして自慰を強いられていたのだ。
羞恥心ゆえに閉じた瞳。
一瞬でも開ければ、きっと目が合うと思った。
だからぎゅっと瞑った。
ふいにナッシュの嘲笑が聞こえたのは、彼が自分をずっと見下ろしていた証だろう。