rain of conflict【黒バス/ナッシュ】
第1章 rain of conflict
ナッシュは服を引っ張って名無しの口腔を解放すると、咽た彼女に対し一拍置き、また酷く棘のある言葉を突き刺した。
達ったばかりで疎らな吐息を零し、擦れた声音でしか反論出来なかった名無しの顎を撫で、垂れた唾液を指先で拭う。
その仕草がまた、どうにも言葉とは裏腹に、物優しげに感じられた。
「っ・・・・」
「どうした・・・イッちまった脱力感で反論もできねえか?」
「・・、ナッシュ・・・の――・・」
「あ・・・?」
「・・ナッシュの、匂いがして。がまん・・できなくて・・・。・・ごめ・・・」
「!・・・・」
「・・・・ナッシュ?」
「ハァ・・・――」
「・・・!・・え・・・んん・・」
ナッシュ自身も、無自覚と自覚のあいだを彷徨いながら、己の矛盾には十分確信を持っていた。
「ん・・・――・・・、フッ・・我慢出来ない、か・・・抱かれた後に吐くいいわけにしては、苦し紛れにも程があるぜ・・・ハ・・ッ」
「ッ・・・」
「おまえは・・・そういうところがたまらねえんだよ。名無し・・・」
「え・・?・・・!や・・、ぁ・・っ」