第1章 出逢い
私の目の前に現れた初めての刀剣男士
名前は加州清光
…のはずなんだけど
目の前の彼は、艶はあるけどボサボサに乱れた黒髪、うっすら汚れた質素な白の単着物に身を包んでいる
新人審神者の研修で訪れた他の本丸にいた「加州清光」とは似ても似つかぬその姿
戸惑いを隠せずにいるとそれを感じとってか、向こうから口を開いた
「えーっと…あんたが俺の主?」
「えっ、あっ…うん! そうだよ。」
少し暗い印象だけど、口調は私が知っている彼と同じみたい
だけど…この見た目以外にも感じる違和感はなんだろう?
「ふーん…そう。」
「あ、あの…」
「なに?」
「なんだか…私の知ってる「加州清光」とあなたがちょっと違うというか…」
「…言ってる意味がよく分からない。
とりあえず、俺の名前は加州清光であってる?」
「へ?」
自分の名前を確認した?
どういうこと?