第2章 壱
笹田「ねぇ、沙也香ちゃん! 今度の試験明けのお休み、どこか行かない?」
きっかけは、唐突なお誘い。
「いいね。多軌ちゃんも誘って、3人で遊ぼうか!」
季節は初秋。中間考査を目前に控えた私たちは、試験明けに何か目標を作って頑張ろう、そんな空気で話していた。それは、私と純ちゃんだけに限らないようだった。
北本「いいなぁ、笹田たち。なぁ、俺らも何か考えようぜ?」
西村「そうだなぁ〜確かに、何か目標あると、頑張れるよな!」
田沼「目標ねぇ……まぁ、楽しいこと控えてたら頑張れるかもな」
夏目「あぁ、そうだな。」
放課後の教室、いつものメンバーで集まるのは、すでに習慣化していた。今は掃除当番でいない多軌ちゃんも、もうすぐ来るだろう。
いつからか、一緒にいるようになっていたメンバー。それは、ごく自然なことで、約束なんてなくても、気がつけばみんなで一緒にいる。それが当たり前の日常だった。