第4章 参
「ねぇ、夏目くん。私も、その子とおしゃべりできるかな?」
夏目「ん、あぁ、出来るとは思うけど……」
「本当に?!」
夏目「た、多分……」
「猫ちゃん! 小野沙也香です! どうぞよろしくお願いします!」
そう言いながら、ふわふわした毛並みを撫でると、なんと猫ちゃんが近寄ってきてくれた!
すごく嬉しい!!
すっごく可愛い!!
抱っこしてもいいかなぁ、なんて思っていた、ちょうどその時。
ザアッ
強く風が吹き、木々がザワリと揺れる。
何、と思う間もなく、猫ちゃんと夏目くんが明らかに身構えている様子を半ば呆然と見上げていた……
夏目「先生っ!」
ニャンコ先生「あぁ、割と強いのが来てるなぁ」
夏目「のんきなこと言ってる場合か!」
ニャンコ先生「来るぞ」
妖怪「貴様……友人帳の夏目だな……それは、人間の小僧が持っていても仕方のないもの。大人しく渡せば、貴様の命だけは助けてやろう」
夏目「ふざけるな! っ!? 俺の命だけはって……まさかっ!」