第2章 仲間
「あの、ここ……いいですか?」
?「あ、どうぞ」
とりあえず手近……身近な人から声をかけることに決めると、いかにも人畜無害そうな優しそうな少年を見つけたので、この子ならと声をかけるとこちらを見て小さく微笑み返してくれたことが嬉しくて顔が緩みそうになる。
「君、ずいぶんとボロボロだね……手入れするから手を出してくれる?」
?「長らく手入れなんてされてませんからね……でも僕は後回しで大丈夫なので、先に兼さんの方をお願いできますか?」
少年……パッと見、中学生らしき少年はボロボロでありながらも人懐っこい笑顔で接してくれた。
可愛らしい顔なのに頬に傷なんて作って……
?「俺はいいから先にやってもらえ」
?「え、いいよ!兼さんが先にっ」
「君から先にするよ。兼さんとかいう人は軽傷みたいだし……君、心配になるくらいボロボロだからね。お名前聞いてもいいかな?」
堀川「僕は堀川国広、よろしくね主さん」
にこりと笑う堀川君。
この子も可愛くていい子だな……。
兼さん、とかいう人は……男前の人だけど、何だろうあの髪。
触らずともわかるくらいに艶やかな黒にさらっさらそうな髪。軽傷でありながらあの髪質はもはや髪に……神に愛されているんじゃと思えるほどだ。
本人、神様だろうけど。
和泉守「ん?オレは和泉守兼定。かっこ良くて強い!最近流行りの刀だぜ」
陸奥守「わしは陸奥守吉行じゃ」
「堀川君に兼さんに……なんか増えたな。えっと陸奥守さんだね覚えた」
兼さんの隣にいた人は、人の良さげな笑みで名を告げてくれたが……ここの席は、みんな優しくてフレンドリーみたいだ。
堀川君の隣にいる……水色のような、浅葱色の羽織を羽織ってる子はこちらのことを気にしてはいるけど名前はまだ教えてくれないかな。
「とりあえず堀川君から手入れをはじめるね」
堀川「あ、待ってください主さん。僕、中傷みたいなんで手入れにも時間かかると思うんです。だから主さんさえよかったら口吸いでお願いしたいです」
「あー口吸いね…………え」
私は美少年にとんでもないことを言われてしまった。