第49章 好きだよ
「迷惑とは違うんですが……私は審神者で燭台切さんは刀剣男士です。私はみんなを幸せにしたいって気持ちでここにいるんです」
燭台切「審神者だから恋愛はできないって言いたいの?」
「そういうわけではないですよ。あまりその辺りのことは詳しく無いのですが恋愛は自由だと思いますし…でも別れる時が来たらお互いが辛いだけだろうな、とは思ってますよ」
まあ,好きとかそういうことふっ飛ばして神様とイケナイことしてる私が言えたものでは無いけど。
政府の人に聞いたことはないが恋愛は多分自由だと思う。
どんな人が審神者になるのか基準みたいなものもわからないとはいえ私のように年若い娘ならば近くに大勢のイケメンがいて恋愛感情を持たない,なんて無茶な話だろう。
一緒に過ごすことで情が湧くしそこに愛情や恋心が芽生えても何ら不思議ではない。
私だってみんなの顔見るだけで眩しいとか思ったりショタを見るだけで動悸が止まらないというのに…。
「燭台切さんが好きだと言ってくれて私はとても嬉しく思いますよ。人に嫌われても好かれることはないと思っていましたし神様に好意を持たれるなんてとても贅沢……恐れ多い話だと思ってます」
燭台切「君はもう少し自分に優しくするべきだと思うよ」
「他者に優しく自分に厳しくがモットーなので気にしないでください」
燭台切さんはため息を吐いて私の頭を優しく撫でてくれる。
よくわからないが頭を撫でられるのはとても落ち着くので好きにさせておこう。
この人からしたら私という存在は……何なのだろう。
仕える主?
同居人?
それとも……お友達?
私のことを警戒している刀達がいたりするなかで彼らとの関係性を言葉にするのは意外と難しいことなのだと知った。
審神者と刀剣男士っていう関係性は前提にあるはずだけど、もっと他にはっきりと言える関係……大切な子達であるのは変わりないけど友達ともルームメイトとも違うから本当にこの関係を言葉にするとなると頭を抱えそうになる。
うん、考えるのはやめよう。