第47章 怒られた
今回のことで多少は宗三さんと仲良くなれた気がする。
前任のことがあって警戒されていたことには、仕方ないと思ってはいたが今回のことで少しでも私に対する印象を変えてくれたらそれでいいとは思っている。
今後も小夜ちゃんとは仲良くしたいからまずはお兄様からなんとかしておかないとあの人とは遊んじゃいけません、とか言われて小夜ちゃんから避けられる可能性もあったのだ。
まあ、それでも……意地悪な宗三さんのことだ。
何かしらしてくるのだろうけど…
宗三「……貴方って無言で人の顔を見る趣味でもあるんですか、前を見て歩かないと無様に転びますよ」
「そんな趣味はないんですけど、何か考えるときその人のことを見ていたらよく考えられるので……」
宗三「今度はなんですか…またお腹が空いたんですか?丸々肥えて庭に放し飼いでもしてほしいのですか」
ふっ、とバカにするように笑う宗三さんではあるが慣れればなんてことはない。
ただ顔きれいだな、としか思えない。
そうでも考えてなきゃ宗三さん相手に口答えしようものなら倍になって返ってきてとんでもない深傷を負わされるので今は大人として右から左へ流さなきゃいけないのだ。
「嫌ですわ宗三さん。お腹が空いているのは認めますがお家に帰るまで我慢しますわよ」
宗三「……」
「あ、いや、普通に喋りますからその顔やめてください」
お上品に話したつもりが、何言ってんだこいつみたいな顔されて心が傷つきました。
おかしいな…右から左へ流すために何も気にしてないよって見せてギャフンと言わせるつもりが自分にダメージがある。
本当に不思議だね……