第2章 仲間
「この人は……?」
燭台切「彼は、へし切長谷部。前の主に言われてずっと出陣してたせいでこうなってしまってね」
「働きすぎってことは、疲労困憊ってやつですか。見たところ働かされて手入れをされてなかったように見受けられますね。刀傷ばかり……」
布団をめくって破けた服の隙間から傷の具合を見る。
清光もなかなかにボロボロだったが、この人のはひどい。
見ていられないほどだ……。
「手入れ、しなきゃ」
これは、キスが恥ずかしいとか言ってられない。
浅く呼吸を繰り返すへし切さんの顎に触れて上を向かせるとそのまま唇を重ねた。
霊力を流し込んでいると目眩のようなものを感じて、この人で最後かもと感じながら今はへし切さんのために霊力を注いでいった。
頑張れ……頑張って生きて。
薄く目を開けそろそろ来る、と思ったが二人のようになにもされずに少し驚きはしたが深々としなくていいのなら自分のやり方で進めよう。
「んッ…ンンッ……」
二人のような濃厚なものはできないが、へし切さんの傷が癒えているのがわかると唇を離して手をかざした。
どうせ底尽きる力ならすべて使ってやる。
「頑張れ……へし切長谷部さん」
頭から頬を撫でて微笑むとうっすらと目を開けたかと思うと私と目があって、また目を閉じてしまった。
先程までの苦しそうな顔ではなく今の寝顔はとても落ち着いてた。
よかっ、た……
加州「主……主!?」
清光が私のことを呼んだ時には全身の力が抜けて、声も聞こえなくなると、へし切さんの上にへと倒れ込んだ。