第43章 店主
燭台切「こっちだよ」
「あ……はい」
私からしたら何もかもが珍しいためにきょろきょろとしていたら、いつの間にか目的の万屋についたようだった。
パッと見、この時代にしては大きめの建物のようではあるが……少し違和感。
引き戸のドアで、特殊なガラスを使っているのか中の様子を見ることができないからその違和感の正体をつかめないのだが、そこにあってそこにない。
そんな感じだ。
燭台切「……入らないの?」
「燭台切さんはここによく来られるのですか?」
燭台切「そうだね。買い物するときはここでしているよ」
普通の人なら怪しい場所でも気づくことなくなかに入ったりするものだが彼らはこういうことには敏感に反応したりするだろうし怪しい場所に自ら行くとは思えない。
ならば燭台切さんを信じてみるのも……
「よし、覚悟を決めました」
燭台切「そ、そこまでしなくても気軽に入ればいいと思うよ」
燭台切さんがドアを開けてくれるので私は深呼吸を繰り返してから中にはいることにした。
例え胡散臭いおじさんが変な笑いかたをしながら立っていたとしても私は驚かないぞ!