第43章 店主
「ふへぇ……」
燭台切さんと歩くこと数十分、やっと森しか見えない道から町らしい場所にまで来ることができたが、私はその町を見て目をぱちくりとさせた。
THE江戸時代☆
って感じの場所だった。
周りの人は着物を着ていたり、たっかい建物がなかったりと江戸時代にタイムスリップした気分にさせられた。
燭台切「何か珍しいものでも見つけた?」
「あー……えっと……もっとこう……ビルとかそういうものをイメージしていたというか……」
燭台切「ビル?あぁ、お酒のことかな?」
燭台切さんに限らず刀達がいた時代はこんな感じなので違和感がないのかもしれないが私にとっては見慣れない物や場所に興味が引かれてそわそわしてしまう。
巫女服で来てよかった……これで洋装なんてしようものならガン見されていたに……
「燭台切さん……」
燭台切「ん?」
「……今日もかっこいいです」
燭台切「えっ、あ、ありがとう?」
この人の格好ってどちらかと言えば洋装じゃないのかな?
だからさっきからちらほらと視線を感じて……。
そう思って私も周りに視線を向けるがその目はなんというか……目をみなくてもわかる。
頬を赤く染めながらうっとりとしている女性が大半なのでわかる。すっごい何を考えているのかわかる。
「これが色男ってやつですか……」
燭台切「今日の主は何でも唐突だね……」
色男を連れて歩けるなんて、ある意味自慢できることなんじゃ……。
ちらっと燭台切さんをみるとこちらを見ていたのか目が合うと微笑んでくれるものだから、う"っと心臓に矢を刺されたようなときめきを感じつつすぐに目をそらした。
存在が、やらしい。