第42章 訪問
「はぁぁぁ」
「じゅいぶんと、おっきなため息でちゅねー?」
「ほっといてください……」
「あの、よかったんですか付喪神様のことは」
「まあ、はい……いいんです。一応嫌われてはないようなので私と彼はいつもあんな感じなので」
石切丸さんの誘惑みたいなのをすり抜けるようにして二人を玄関まで送ると逃げてきたのだが、一応大丈夫だ。
笑顔で見送って……目は笑ってなかったけど一応笑顔で見送ってくれた。
「お二人は……恋仲、なのですか」
「な、何言ってるんですか!」
「あーちゃうちゃう。こいつ刀剣男士を誘惑してその気にさせて喰うのが趣味なだけやから」
「何嘘言ってるんですか……」
「そ、そうですか…………あまり誉められたものではないと思うのですが…」
「し、信じないでくださいよ!」
誘惑してって本当に失礼だと思う。
私も好きで誘惑しているわけではないし、決して尻軽というわけでもないのに……ため息でそう。
そうしていると庭の方から楽しそうに遊ぶ短刀達の姿を見つけてほっとした気持ちになった。
少しずつでも笑顔を見せてくれるようになって嬉しい……ん?
「ちょっと待っててくださいね」
二人を残して裸足で走ると木の近くまで行くと人影がすぐに隠れてしまった。
あぁ、やっぱり。
「小夜ちゃん、みーつけた」
小夜「!」
「またこんなところに入って……怪我したら危ないって前に言ったのにな……」
隠れていたのは可愛らしいショタの一人の小夜ちゃんであった。
鶴丸さんと散歩中に会って前田くんに協力してもらって手入れをしたのだが……これはまた手入れしないといけないようだ。
まあ、ショタに触れてもいいなら手入れも美味しいことではある。
……下心はもちろんありません。