第41章 嫉妬心
加州「すきだよ……主が好き……」
「清光……」
勘違い。
そう思わなかゃいけないのに清光の今にも泣きそうな声を聞いているとそんなこと言えるわけもない。
加州「石切丸さんとか薬研と特別なことをしたの……知ってるよ。山姥切とだって……」
「っ……」
特別な、こと。
いや、したことは認めるけども……でも薬研くんとは……それよりもなぜそんなことを知っているというのだろうか。
気配に敏感な方ではあっても絶対気づけるわけでないのでもしかしたら近くにいたのだが私が気づけなかっただけなのかもしれない。
加州「……俺が一番だったのに。主と最初に会ったのは……ッ…主を好きになったのは…」
「……ごめんね。好きっていってくれて想ってくれてありがとう……」
清光をぎゅっと抱き締めると清光も抱き締め返してくれて、なんだか申し訳ない気持ちで満たされていく。
好きだって言ってくれたのに私には何もできないなんて……。
何も返すことができないのは本当に申し訳なくて悲しくなる。
加州「……主……口づけ……キス、していい?」
「っ……あ、ッ……それは……」
加州「ダメ……?」
可愛く小首を傾げる姿にきゅんときて頷きそうになるが、それがダメなんだ。
恋人というわけでもないのだからキスなんて思わせ振りなことを許してはいけない。
甘やかしてはいけないのだ。
「だ、だめ……です」
加州「……他のやつらとはするのに」
「え"っ……」
加州「見てたし知ってるよ。手入れだっていって、たくさんキスしてるの見てたし……ねぇ、主……キスがダメなら……違うことしていい?」
ムッとした表情を浮かべた清光も可愛らしかったが、すぐに何かいいことを思い付いたと言わんばかりの表情にぞくっとすると顔をそらした私に清光はすぐに腕を掴んでにこりと笑った。
「あ、あの清光……違うことって……手合わせ、とか?私そういうのはしたことないなぁなんて」
「大丈夫。主が経験済みなのも知ってるし……主のここにいいものあげるね?」
片手で下腹部を撫でられ、そこにあるものがきゅっと疼くのを感じると共に嫌な予感しかしないことに顔が青ざめていくのがわかった。