第39章 吸血
「……」
加州「……」
「……」
どうしよう。
すごい無。
そして空気がどんよりしてる……。
雰囲気が悪くなるような話はしてないのになぜだろう……。
私は待つと言った手前、無理に話すわけにもいかなかったし、久しぶりに会った感じもするので何を話したものか悩むところなのだ。
元々、自分から声をかけるタイプでもなかったので話題というものがよくわからないのだ。
このまま無の空間っていうのも……
加州「主は……」
「は、はひ!」
清光の方から話しかけてくると、驚いて声が裏返ってしまった。
例えるならのほほんとしていたときにいきなり、わって驚かされた時のような感じだ……びっくりした。
「ど、どうかした……?」
加州「俺のこと……愛してないの?」
「……ん?」
愛して、ないの?
清光のことはもちろん大好きだ。
好きで大好きで、愛している。
なのになぜそんなことを聞かれているのだろう。
清光は相変わらずの不安と悲しみの狭間でゆらゆらしている感じだった。
愛されてないと思っているから不安で悲しいということかな……納得。
「清光……私はこれでもみんなを愛してるつもりだよ。まだ私に警戒してる子もいるけどそういう子も含めて私はみんなのこと大好きなんだからね」
加州「……嘘だ」
「き、清光?」
加州「嘘だ嘘だ!主は俺のことなんていらないって汚いから醜い、から……ッ…綺麗じゃなくて、可愛くないから……主に捨てられっ」
「清光!!」
加州「っ!」
自己嫌悪なのか暴走している清光の名を強く呼ぶと驚いたように私を見つめるその瞳が、とても悲しそうで……私まで泣きそうな気持ちにさせられた。