第38章 女子力ってなんですか
歌仙「今まで言わなかったけど……きみは最近、本当にだらしない」
「結構言ってたような……まあ、だらしないっていうのは認めます」
歌仙「審神者としての役目を頑張っているというのは見ていたから知っている……
けどね、やることを終えれば女子を捨てたかのようなだらけっぷりにはこちらがため息を吐きたくなるほどだ」
むぅ。
そこまで言わなくても……長時間正座をしながら机に向かって判子押したり書いたり読んだりしていると腰にダメージがきてしまうのだ。
だからやることを終えたら身体を労るためにごろごろするのは当然のことだと思っているし何より……
「別に見られて困るものでもありませんし」
歌仙「……悲しくなってくるな」
悲しませてしまったらしい。
「だらけてはいますがそれも自分の部屋でやっていることですし大勢に見られるものでもないので……」
歌仙「自分の部屋?」
にこりと笑う歌仙さんの圧にそういえばここは歌仙さんのお部屋だと気づく。
お食事を運んでもらっていた期間はほとんどお仕事中でだらしない姿は見せてなかったはずなんだけどな……。
「……歌仙さんが私に何を言いたいのか理解しているつもりですよ。見た目とか生活態度とか……女子であることを思い出せと言ってるんですよね?」
歌仙「わかっているのならなぜ……」
「審神者業に忙しくておしゃれとかできそうになくて……一応気にしていた頃もあったんですがみんなの生活のためには私の服なんて買う余裕もなくって……」
みんな綺麗だしかっこいいし、かわいいしで自分の見た目が気になっていた時もあったが明日食べるものにも困っていた時だったのでおしゃれなんてと諦めていたのだ。
私だって一応女子なので興味はあります。
興味は、ってだけでおしゃれするとは言ってない。