第35章 マッサージですよ
燭台切「それでいいと思うよ」
「……え」
燭台切「ほら、君は僕たちと会ったときからずっと言ってくれてるでしょ。僕たちを幸せにしたいって……初対面で言われて不信感を持つ刀もいたからさ……自分のためにって聞いて納得できたよ」
「……自分が幸せになりたいって思ってます。けど今はみんなのことも笑顔にしてあげたいって本気で思ってるんです。温かくて優しくて愛しい……こう思うのは初めてでうまく言葉にできないんですが……」
愛が、温かさがほしかった。
ずっとずっと一人でいるのが寂しかった。
彼らを利用しているようで気分はよくないがそれでも私はみんなと仲良くなりたいしそばにいたいと思っている。
「私はみんなと一緒に生きていきたい」
燭台切「……うん、それがなつみちゃん想いなら僕は嬉しく思うよ」
ぽんぽんと頭を撫でられると少し驚いたがまるで兄のようで安心することができた。
難しく考えないようにって何度も言われていたはずなのにすぐに深く難しく考えてしまうのは私の悪いところなのだろう。
これからはもっと素直に今の自分を変えられるよう頑張ろう。
燭台切「それじゃ、その気持ちをみんなの前で言ってみようか」
「……え」
燭台切「仲良くなるには自分の心をさらけ出せ、って言葉があるからね。主の気持ちを話せば今よりもっと仲良くなれるはずだよ」
立ち上がった燭台切さんに笑顔でぐいっと手を引かれると私はそのまま立ち上がるが彼の提案に私は青ざめるものを感じた。
燭台切「人って自分の話を聞いてほしいとか、自分のことをわかってほしいって思う人がほとんどらしいし君もそうなんだろうけど、まずは君の思いをみんなに伝えることから始めてみようか」
「い、いやいや何を仰ってるんですか!自分の欲のためにやってんだ!なんて言ったら嫌われますって!」
燭台切「大丈夫。主は僕たちのことそんな冷たい刀だと思っていたの?」
思ってはないが……それとこれとは話が違う気がする。