第31章 部屋籠り
燭台切「……綺麗とか言われるのは嫌かな?」
「え……あ、えっと……言われて悪い気はしませんよ。でも私にはなんだか勿体無い言葉で……」
燭台切「勿体無い……か。僕はそうは思わないよ。主はとても綺麗だって思ってるよ…見た目もそうだけど何よりも心が綺麗だってそう感じてる」
燭台切さんの目を見る。
この人も同じだ。
嘘偽りのない、目。
その場の雰囲気で言ってるわけではない。
本心で言ってくれている。
そう思うと胸のところがあったかくなって何だか顔が熱くなる。
どうしよう。
今すっごく恥ずかしい。
さっきまで褒められる事に複雑さを感じていたのに、彼が本心で言ってるんだと思うと嬉しくて恥ずかしくて涙が出そうになる。
「……刀剣男士ってみんなそうなんですか?こんなに私を喜ばせてどうするんですか食べるんですか」
燭台切「あ、主顔真っ赤。可愛いね……」
「そ、そういうところですよ!もうっ……って、手入れするんでしたね」
話が脱線して忘れかけていたが、燭台切さんの腕の手入れをするんだった。
まあそれも燭台切さんの発言が原因で話が違う方向にいったんだけどな……
「さあ、今度は変なこと言わずに腕を出してくださいね」
燭台切「あれ、本気だったのに残念だな…」
まだ言うか!
私は別に燭台切さんとキスをするのが嫌ってわけではない。
一度手入れのためにしているわけだし……ただ、私自身が彼等を惑わすようなことをするべきではないと判断したのだ。
もう何度もしているから私の唇に価値なんてあったもんじゃないけど、彼らの唇には価値があるのだから私なんかが奪うわけにも……。