第28章 お預け ☆
「うぅぅぅっ……人をこんな状態にさせてっ……」
みんながいったあと私はあの憎き体質に悩まされていた。
あんなことをされて何もありませんでした、なんてあるわけもなく今日も元気に発情しております。
誰かに会いたくなくてもどこにいるのかわからないので、まっすぐに自分の部屋に向かうが体質のせいで脚はプルプル震えて気を抜けば力が抜けそうになるこの状態で離れたところにある自室に向かうのはとても大変だ。
できれば目隠しでもしたいが真っ暗な視界では部屋に到着なんて不可能だろう。
今はただ誰にも会わずに……
五虎退「あるじさま……?」
……一番会っちゃいけない短刀に出会ってしまった。
逃げ……いや、それは失礼か。
平常心でいけばなんとか……
「こ、こんにちは……ッ……」
五虎退「あ、あのどこか痛いのですか」
「ちょっと……気分が優れないだけ、なの」
私の様子を見て心配そうに見つめる五虎退くんが可愛すぎて違う意味でドキドキしてきた。
でも今はとにかく離れないと私が……犯罪者になりかねない!
「お部屋で休むから……心配、しないで……?」
五虎退「……お部屋までお供しても……いいですか?」
うわぁ、かわいい。
何もないときなら大歓迎なのだが今は……あれ。
「五虎退くん……なんとも、ないの?気分が悪くなったり……」
五虎退「え、えっと……僕は元気ですよ……」
見たところ私の影響を受けてないように見える。
いや、後から効果が出る可能性もあるし……どうしよう。
断ってもショックを受けるかもしれないし、一緒にいることで何かあったら可哀想だし……。
「うっ……」
五虎退「あるじさまっ……い、痛いですか……あ、あの誰か呼んで……」
目眩がしてその場に倒れそうになったがなんとか持ち直してその場にゆっくりと座る。
最初の時ほどどうにかなるわけではないが、つらいものはつらい。
熱くてくらくらして……誰もいなかったなら床とこんにちはしたいくらいには限界近くまできていた。