第2章 仲間
「ん……」
?「ん?起きたのか?」
目が覚めると最初に見たものは三日月。
いや、三日月が見える……きれいな、目だ。
目、ってことはつまり……?
寝起きで考えがまとまらない私に美しく整った顔立ちをしている彼は優しく微笑んでいた。
なんか耳辺りの感触が固い。
畳の上で寝てるから……いや、暖かい……?
え、これってもしかして。
「お膝……っ!ご、ごめんなさい!誰とも知らない人の膝に頭を乗っけるなんてっ」
?「ははは、気にするな」
カバっと飛び起きると美しい人はこれまた美しい微笑みを浮かべた。
なに、この美しい人……。
どうやら私はこの人に膝枕をされながら眠っていたようだ。
「あれ……部屋が違う、ような……?」
なんと話したものかと悩んでいると部屋の雰囲気が違うことに気がついた。
私が眠ってしまった部屋にはなにもなかったのに今いる場所は使い物にならないようなタンスや机が置いてあった。
何より赤黒いシミがところどころあり襖前には大きなシミが……。
「殺害現場みたい」
?「ん?」
「あ、いえ……あの、あなたは?」
三日月「あぁ、俺は三日月宗近。打ち除けが多い故、三日月と呼ばれる。よろしくたのむ」
「み、三日月宗近、さん……」
聞いたことがある。
刀剣のなかでもレア中のレア、激レアと言われるほどの刀だ。
前任がどれ程の力を持っていたかは知らないが結構運があったようだ。まさかこんなにもレアな刀をそばに置けるとは……子は親を選べないとか言うが世界というのは本当に理不尽だな。
じっと三日月さんを見つめていると、噂通り美しく儚い感じが魅力的だけどなんとなく懐かしいとすら思ってしまった。
どこかで会ったことなんてないはずなのに不思議な感じがする。