第1章 始
「お嬢ちゃんは、力を抜くべきやで。生まれる世界を間違えただけ……こんなに優しい心を持ってるんやから自信もち」
政府の人は私をたくさん励まして元気を与えてくれた。
「刀達を幸せにしてほしいのや。みんな、疲れてボロボロやからさ」
幸せをもらえなかった私が誰かを幸せにできるのかな。
「死にたいって思うのは自由やけどさ、俺は嬢ちゃんに生きてほしい。これから行くところは嬢ちゃんの行動次第では善にも悪にもなれる……そんな場所や。そこで自分の幸せを探すのもええんとちゃう?」
幸せに、なってもいいのかな?
ただ誰かに愛されたかった。
私は馬鹿で無力だから何をしたってうまくいかないから……だから嫌われた。
バカだから期待もしてもらえなかった。
信じてもらえなかった……。
そんな私が……。
「嬢ちゃんは普通であって普通じゃない。言ったやろ生まれてくる場所……いや、世界を間違えた。これから嬢ちゃんが楽しく過ごせる場所に連れていったる。そこで生まれ変わるんや……できるな?どんな自分になりたい」
「審神者として、私は……彼らを幸せにしたい。頑張って認めてもらって私の幸せを見つけたい。彼らと笑い合える場所を作りたい」
「できるよ。嬢ちゃんがそうしたいんなら頑張っておいで」
生まれ変わる。
私はもう……生きることを諦めたくない。