第19章 穏やかな日
「私は仲良くしたいなって思ってるんだけど……あなたは嫌かな……?」
?「あなたには……復讐したい相手はいる……?」
あらぁ、復讐ときたか……。
初対面の短刀との会話が復讐から始まるなんて……予想外。
でも、この子には重要みたいだからちゃんと考えて答えないと……復讐ってことは恨み、とかそういうものから生まれるものだよね。
「復讐か……そうだなぁ……」
なんのために聞かれたのかよくわかりもしないのに私復讐好きなんだ!とか言って引かれるか、それとも喜ばれるか……どうしよう、わからない。
普通の子供相手なら復讐なんて、って言ってるだろうけど相手は自分より年上の刀だ……返答を間違えたら信用どころか首を切られる……。
復讐したいと思える人はいない、とは言わないけど私の都合で綺麗な手を汚れさせるわけにはいかない。
?「僕の抱える闇に、みんな美を見出だすんだ……訳が分からない」
私もわっかんない!
なにそれ、短刀が抱える闇が美しいって……考えようによっては尊いかもしれないけど訳が分からない。
これはどう答えるのが正解なの!?