第11章 平和……?
「迷子になりそう……」
台所っていうのかな……厨房、キッチン、板場、調理場……まあ、料理を作る場所を目指して歩いているのだが、まったくわからない。
本丸のなかを歩き回ったわけでもないので、場所の把握なんてできているわけがない。
そして、私のヒール草履はどこへいった……。
あれがないとなんだか落ち着かない。
「綺麗な場所だし草履を履いていた方が問題だから構わないけど……目線が、ね」
クール、無愛想、冷酷、綺麗とか、言われてきた私ではあるが……小さいのだ。
言いたくはないが現代の平均身長よりかは小さい……150㎝しかないのがとてつもなく悔しく悲しいのだが、誰しもどこか優れていればどこかに問題があって、人間はバランスよくできているとは言うが……なぜ私から身長を奪ったのか。
目付きが悪いとか前に言われたし、これも問題の一部になるなら後五センチくらい身長を与えてくれても……
「……私の取り柄を考えたら首をかしげたくなるんだよね」
加州「あ~る~じ」
「ひっ!」
加州「まーた、そんな格好で歩き回ってる!」
「き、清光……あ、あのね歌仙さんが起きたからお腹すいたと思って食料をね……?」
背後からの声に私はビクッとした。
よく知ってる人だからよかったけど……透き通ってる人ならどうしようかと思った。
加州「じゃあ、俺が持っていくから主は自分の部屋に戻る」
「自分の……あぁ、最初にいた……清光、私の部屋、結構離れた場所にあるのはなんで?」
加州「それは……知らないけど?あの政府から来た人がここが審神者部屋って言ってたから」
私は寝てたから聞いてないけど、私の部屋だけ離れにあるのは納得できない。
おとなりさんがいてもいいくらいなのに、私の部屋らしき場所の回りには何もない、廊下を進んでいって部屋があるって感じではあるが、大声で叫んで聞こえるかなってくらいの距離だからちょっとな……。