第6章 お引っ越し計画
「あの、お邪魔してもよろしいですか……?」
?「ん……ああ。適当なとこ座れよ」
「あ、はい……」
あまり清光に頼りっぱなしもいけないので近くで待機しててとお願いすると、なにも言わずに従ってくれたが……視線が痛い。
茶髪のお兄さんの隣に座り、もう一人の方に目を向けてみると微笑まれたものだからドキッとした。
初対面なのに初対面なのにッ…
「あ、あの私……」
?「話なら聞いてる。新しい審神者だろ?」
「は、はい……あ、あのですね。挨拶回りなどをしているので名前を教えていただけると……」
?「そんな緊張しなくたって名前くらい教えるって!俺は御手杵、こっちのが……」
?「蜻蛉切と申します」
「私はなつみです……お二人は手入れなど必要ないのですか?」
御手杵「んー、今のところは必要無さそうだけど……確かあんたの手入れって特殊なんだろう?」
「資材や道具がないものですから特殊な方法ではありますけど……引っ越しのあとは道具など用意して通常のやり方でやるつもりです」
御手杵「特殊ってなんか気になるけどな……今度普通のじゃなくて特殊のやり方でやってくれよ」
「……機会があれば」
手入れって……どっち、なんて考えなくてもきっと普通の手から霊力を与える方だ。
重症の人達にするようなものではないよね……
「あ、蜻蛉切さんは手入れの方はどうですか?必要があればしますけど」
蜻蛉切「ありがとうございます。自分も大丈夫ですよ」
「……そ、そうですか……」
包容力の塊みたいな人だな……。
雰囲気がもう包み込みますよって感じで安心する。
回りにはそういう大人がいなかったから、嬉しいものね……