第1章 始
「ここが……」
こん「どうですか主様!」
「どうですかって……暗い禍々しいオーラみたいなのが感じられる……お化け屋敷らしい場所って感じかな」
こん「お化け屋敷とな!主様は面白い人ですね!今日からあなたがこのお化け屋敷の主となるのですよ」
「お化け屋敷言うな」
こん「主様が先に仰ったじゃありませんか!」
「私はいいの」
門の向こうから殺気のような怨み辛みの暗いオーラのようなものを感じて私は少しだけ顔を歪めた。
学校だって私を拒絶する人達はいたけど、ここまで歓迎されてない雰囲的なものは感じなかったな。気にも止めてなかったけど。
なんというかはっきり言って、やっていける自信がない。
だが私は審神者に選ばれ、とりあえず言われたことに従っていたら今ではここ『ブラック本丸』とやらで刀たちと共に生活し歴史を守るためのお手伝いをしろとかなんとか言われてしまったのだ。
ほとんど説明的なものを受けていないから自分でも何を言っているかわからなくなってきた。
それよりも、門の前に立ってるだけで帰れ、来るなというオーラが感じられてとてつもなく入りづらく二歩ほど後ろに下がってしまう。
どうしよう帰りたいかも。
帰っていいのかな。
敵前逃亡なんてかっこ悪いとはいうが、もしも門を開けた途端にグサリ、なんてことになったら笑えない。
私は別にスタート地点で死ぬことを望んではいないし、どうせ挑むのならもう少し精神的なものを鍛えてから来たかった。
精神を鍛えたところで刺されたら終わりですがね。
誰かに言うわけでもなく自分の中で身勝手な理由を考えては帰れるわけもないことを理解した上で、チラッと管狐に目線をやるが不思議そうにこちらを見つめてくるだけで今日は帰りましょう、なんて私に都合のいい台詞を言ってくることはなかった。