第6章 最終章。
「結衣。許してくれるの…?」
遼平は涙を流しながら私にそう言った。
私は頷いた。
遼平に抱きついた。
"グッ"
「…うぅっ」
お腹に鋭く激しい痛みが走った。
生暖かい液体が私の足に伝い落ちる。
「ありがとう。結衣。じゃぁ、一緒に死のう…?」
ふと、痛みの根源を見ると、
私のお腹にはナイフが刺さっていた。
「りょう…へい…?」
私は薄れ行く意識の中、
彼の名を呼んだ。
「大丈夫、結衣を一人では…逝かせない」
そこで見た光景は
遼平が笑顔で自分の首を
ナイフで掻き切るところだった。
私の視界はそこで真っ暗になった。
私は…死んでしまったの…かな。