第6章 最終章。
ドアを開けるとそこには遼平がいた。
「バレちゃったか。」
そう言って笑う遼平の顔は
いつもどおりだった。
「どうして?」
「俺はずっとお前が好きだった。なのに、お前は俺を見ようとしなかった。腹が立ったんだ。でも、結衣は俺を頼ってくれた。それが…嬉しかったんだ。」
「…。」
「お前が、その男を諦めて、しかも、俺に頼ってくれる。一石二鳥だろ…?やめられなかったんだ。わかってくれよ。」
そう言って力なく笑う遼平。
「…信じてたのに…。」
「あぁ。これからも信じていいよ。俺は結衣だけは絶対に裏切らない。」
「こんなの狂ってると思わないの…?」
「思わない。昔から君は…俺だけのものだから。」
「遼平…。」
「君は忘れてしまったの?いつか公園でした約束。結婚しようって言い合ったのに…。」
遼平は泣いていた。
「そんな昔のこと…。」
「俺は、その昔の約束を信じて待ってたんだ。君が俺を見てくれるのを…なのに…君はいつしか俺を見てくれなくなった。」
「…。」
不思議と今までの嫌がらせの真相が
わかると…怖くなかった。
そうか。
私が…私が悪かったのか…
私はドアのチェーンロックをはずし、
遼平を部屋へと入れた。