第6章 最終章。
信じられなかった。
このプリペイド携帯のアドレスを知っているのは、
今、遼平だけのはず。
なのに、
あのメールが大量に送られてくる。
私は意を決して
そのメールに返信をした。
『ねぇ。遼平なの?』
メールが止まった。
私は遼平に電話をかけた。
遼平はしばらく電話に出てくれなかったが
何度もかけると出てくれた。
「もしもし?あ、わりぃ、ちょっと講義受けてて…で、どうした?」
いつもの調子で遼平は喋り続ける。
「ねぇ、遼平。今、どこにいるの?」
「え?だから講義だったから…大学に…。」
家の前を偶然救急車が通った。
遼平の電話越しに同じ音が聞こえた。
「嘘だよ。救急車…通ったもん。」
「…いや、これは…え…。」
遼平はしどろもどろになり
電話を乱暴に切った。
そして、私の部屋のインターホンが鳴り響いた。