第5章 繋がる線。

｢結衣さん。｣
名前を呼ばれ振り返るとみくさんが居た。

｢…みくさん…？｣
私は手を止めた。

みくさんは吉原さんの方へと歩み寄った。

｢…久しぶりだね。秀平。今回もあんたなの？｣
みくさんは確かにそう言った。


｢…っは。まさかこんな所で美空(ミク)に会うとはね…。｣
吉原さんはうつむきながら小さく笑った。


｢私の質問に答えて。｣
みくさんは吉原さんを睨みつけた。

｢悪いが、美空(ミソラ)。今回は俺じゃねぇ。…っけど、傑作だなこの展開…やべぇ、笑いこらえきんねぇ…ふふ…はははははは｣
吉原さんは狂ったように笑い出した。

わけがわからなかった。
私はただただポカーンとその様子を眺めていた。

｢まさか、また慶介ストーカーと勘違いされて、しかも、それが美空(ミソラ)と知り合いだなんて…よく出来た話しだよ。全く。…しかも、あいつ自殺未遂して…ぶは…ははははは。やべぇ、腹が…壊れる…｣

｢私もまさか、結衣さんの件に貴方たちが絡んでいるとは思いませんでした。次はないと…言いましたよね？｣
みくさんは冷たい目で吉原さんを睨みつけていた。

｢だから、今回は違うって言ってんだろ。｣
吉原さんは立ち上がり、みくさんを睨み返した。


｢ま、待ってください。どういう事なんですか？｣

私がそう聞くと、
吉原さんはニヤっと笑った。