第5章 繋がる線。
「申し訳ありません。昔のことを思い出し、取り乱してしまいました。」
暫くして落ち着いたのか
みくさんは話はじめた。
「私も以前、同じような目にあっておりました。結衣さん。簡単に人を信じてはいけません。それが私の得た教訓です。」
「…え?」
「すいません。私に関しては今は…詳しくお話は出来ません。ただ、あなたが助かるように、協力はします。私の指示に従ってはもらえないでしょうか?」
みくさんは私をじっと見つめた。
「…。」
私はみくさんを信じてみる事にした。
私は黙って頷いた。
「ありがとうございます。では、まず、早急にメールアドレス及び携帯の番号を変えてください。そして、あなたの肉親、淳と私以外にその連絡先は教えないでください。」
「…わかりました」
私はみくさんの指示で
携帯番号、メールアドレスを変更した。
そしてプリペイド携帯を買い、
そちらの携帯の連絡先をみんなに送った。
みくさんの指示はこうだ。
現在自分の近くにいる人から順に
日を分けて徐々に本当のアドレスを教えていく。
例のメールが来た時点で連絡先を教えるのをストップする。
次にプリペイド携帯のアドレス変更。
そちらから連絡を全員へ。
再び、例のメールが来た時点までに教えていたメンバーに
逆から時間を離しながら徐々に連絡先を教える。
というものだった。
手間はかかるが、
特定には最適…という事だった。
そして最後の指示。
どんなに信用しようとも
絶対にこの計画は秘密にすること。