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Misanthropy Syndrome

第4章 疑心。


気がつくと眠っていたのか
目を開けると、誰かがベットの縁に座っていた。

「りょう…へい?」

「…おはよう。結衣。」
そう言って誰かが私の頭を優しく撫でた。
遼平の手より大きくてごつごつしていた。

慶介の手だった。

「…慶介?」


「そう。」


「どうしてここへ?遼平の部屋だよ?」


「どうしてだろうね…?」


「帰らなきゃ、遼平に怒られちゃうよ。」


「うん。大丈夫。」

そう言って笑った慶介の顔は優しくて
でも寂しそうだった。


「慶介…?」


目が覚めた。
どうやら夢だったようだ。

部屋には遼平が居て、
遼平はマスクをはずしていた。

…あれ?

そういえば、私がここに来てから
マスクをつけてない遼平を見てない。

遼平は私に気付いていないようで
ずっと怖い顔で携帯をイジっていた。

遼平の右頬は赤く腫れていた。
まるで殴られたように…

「りょうへい?」

私が呼びかけると遼平は急いでマスクをつけた。

「おぉ!起きてたのか!わりぃ!携帯ゲームしてた!」
遼平はヘラっと笑った。

「ここどうしたの?」
私は頬の方を指差して言った。

「あ?これ?えっと…ちょっとバイト先で失敗しちゃってさ!怪我しちゃった!恥ずかしくてずっとマスクしてたんだけど…」
遼平は目をあわさずにそう言った。




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