第4章 疑心。
遼平の家に泊まりに来て3日がたった。
私はその間ずっと大学に行く気になれずにさぼっていた。
由香里や茜からは心配のメールが届いたが
ちょっと実家に帰っていると嘘をついた。
メアドも替えたが、
あのメールはずっと来る。
慶介には教えてないのに…。
遼平は誰かが教えてるんだって言ってた。
吉原さんや由香里…?
今は遼平は大学に行っているため、
部屋には一人だった。
"ピンポーン"
突然鳴り響くインターホン。
私の心臓は跳ね上がった。
…大丈夫、ここは私の部屋じゃない。
そう言い聞かせながら、
でも、音を出さないように玄関に向かい、
覗き穴を覗き込んだ。
…誰もいない?
私はそっとドアを開けた。
"ガコ"
ドアが何か箱に引っかかった。
「…?」
私はその箱を見た。
「っひ!!!!」
悲鳴を上げ、そしてドアを閉めた。
すぐにトイレに駆け込み、
胃からのぼってきた
吐しゃ物を吐き出した。
ドアの前に置かれていたのは
腐敗しかけた
動物の死体だった。
私はずっと布団に包まり
震えていた。
しばらくすると玄関先から悲鳴のようなものが聞こえ、
遼平が帰ってきた。
部屋に入ると私を抱きしめた。
「怖い思いさせてごめん。」
そう謝って遼平はどこかへまた出て行ってしまった。
携帯が鳴り響く、
全く知らない番号からの電話だった。
「…もしもし?」
『やっと見つけた…ッブ…ツーツー』
その一言が
ものすごく恐怖だった。