第4章 疑心。
しばらくすると遼平がやってきた。
遼平は風邪気味なのか顔が半分ぐらい隠れる大きなマスクをしていた。
「警察…行くか?」
私はその問いに首を横に振った。
「んー…とりあえず…今日からしばらく俺の部屋に泊まれ。ここ危ないかもだし…ほら、準備して。」
私は頷き、準備をし遼平と一緒に外へ出た。
「大学はどうする?休むか?」
私は首を横に振った。
「んー…でも危ないから、味方を見つけとけよ。俺、お前の大学まではいけないからさ。」
遼平は私の頭をポンと叩いた。
「…わかった。」
私は終始うつむいたままだった。
ふと携帯が振動する。
私は画面を確認した。
新着メール100件。
また、別の知らないアドレスから
大量のメールが送られてきていた。
私はそれを呆然と眺めていた。
「携帯のアドレス変えろ。」
遼平は心配そうにしていた。
「…うん。」
私はアドレスを変える事にした。
ふと顔を上げてみた。
遼平は何やらいつもと違う携帯をイジっていた。
「…あれ?遼平携帯変えた?」
私のその問いかけになぜか遼平はうろたえた。
「ん!?あぁ、これ?これは…代替機なんだ。この間携帯壊しちゃってさぁー」
遼平はヘラっと笑った。
「…そっか。」
私は再び下を向いた。
その間も携帯はメールを受信し続けていた。