第4章 疑心。
「ごめんなさい。」
私は謝った。
謝るしか出来なかった。
「あいつもそうだった!俺は何もしてないのに!いつか俺を避け始めて、俺を怖がりはじめて…俺が何したっていうんだよ!?あぁ!?言ってみろよ!?」
慶介の顔が怖くて見えなかった。
でも、慶介は物凄く怒鳴っていた。
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい…」
私はその間ずっと謝り続けた。
「俺は何もしてない。俺はお前を守りに来たんだ。俺はお前に変なメールなんて送ってないし、俺はお前の自転車のブレーキワイヤーなんて切ってない。俺じゃない!!!!」
「…わかった、わかったから…ごめんなさい。」
あれ?
私は何だか違和感を覚えた。
「俺じゃない!!!!俺じゃない!!!俺じゃない!!!!!」
「…でも、なんでその事慶介が知ってるの?」
私がそう聞くと慶介は驚いたような顔をした。
「それは…」
慶介はもごもごと言葉に詰まった。
私はそのことをまだ慶介に話していない。
さっき話したメンバーの誰かが慶介に伝えた?
だったらこんなに言葉に詰まるはずがない。
やっぱり…慶介が…?