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Misanthropy Syndrome

第2章 きっかけ。


私も携帯を開いてみた。

『新着メール10件』

その表示に少しだけ背筋がぞっとしてしまった。
当然すべて慶介からのメールだった。

講義って言い忘れてたから心配させてしまったのかな。
私はすぐに慶介にメールを返した。

それから私と茜とあっくんは少し雑談をして別れた。
私は家に帰る事にした。

アパートの前につき、
部屋へと続く階段を上って行く。

昇りきって目の前を見て
少しぞっとした。

「…け…いすけ…?」

ドアの前に慶介が座り込んでいた。
私が名前を呼ぶと慶介は嬉しそうにこちらを見た。

「メール来なくて心配でさー。暇だったし来ちゃった!」
慶介はそう言って立ち上がった。

「え?いつから待ってたの?」
私はすぐに慶介に駆け寄った。

「ん?ほんのちょっとだよ?」
そう言って慶介は私の頭を撫でた。

ほんのちょっとか。
よかった。
私は何故かとても安心した。

「待たせてごめんね。お茶飲んでいく?」
私は急いでドアの鍵を開けようとした。

「あ、いいよ。俺バイトいかなきゃだし!じゃ!またね!」
そう言って慶介は階段を降りて行った。

何だか申し訳ない気持ちで一杯になった。

私はドアの鍵を開け、部屋に入ろうとした。
すると隣の部屋のドアが勢い良く開き、中から同い年ぐらいの男の人が出てきた。

「あの。」
その男の人はなんだかイラついているようだった。

「はい?」

「あんたの彼氏、3時間前くらいからずっと居たよ。あそこにずっと居られると気持ち悪くて迷惑だからさ、待たせるぐらいだったら合鍵でも渡しとけば?警察呼ぼうと思ったわ。まじで。」

男の人は溜息をついてこちらを睨んだ。

「…あ、す、すいません。」
私は思わず頭を下げた。

「気をつけろよ。」
そう言って隣の住人は部屋へと戻って行った。

私もすぐ部屋へと入った。




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