第2章 きっかけ。
二人は私の話を真剣に聞いてくれた。
私が話し終わると二人は黙り込んだ。
「やっぱり…そういうもんかな?」
私がそう聞くとあっくんは首を横に振った。
「ていうか、嫌ならちゃんと本人に言うべきだよ。相手は良かれと思ってしてるかもしれないんだしさ。」
あっくんは真面目な顔をしてそう答えた。
「な、なるほど。」
私は思わず納得した。
「でも、付き合う前からそれってちょっと異常だよね…。気をつけてたがいいかも…。私、今度慶介さんについて健吾に聞いてみるね!」
茜はそういうと携帯を開き、健吾さんに早速メールをしているようだった。
「あ、ありがとう。」
「でも、確かにちょっと怖いよなー。もしかしたら相手の頭の中じゃ勝手に岸本が彼女になってるのかもよ?」
あっくんは意地悪そうな笑顔でこちらをみた。
「いやいや、多分それはないよー!もしかしたら私の事心配してくれてるのかも!」
そうだ、慶介はきっと優しいから私の事を心配してくれてるんだ。
ちゃんと大丈夫って伝えなきゃ!
「…なんかその考え方危なくねぇ?」
あっくんは眉間にシワを寄せて渋い顔をしていた。
「え?なにが?」
「うーん、なんでもない!」
そう言ってあっくんも携帯をいじりはじめた。