第2章 きっかけ。
私はそれから毎日慶介とメールをしていた。
慶介は少し心配性なのか、
私のメールの返事が遅れると必ず『大丈夫?』とメールを何通も送ってきた。
それから、『今何してるの?』というメールが頻繁に来て、『友達と遊んでいる』などと伝えると必ず詳しく誰とどこで何をして遊んでいるのか聞いてくるようになった。
そして、少しでも暇な時間さえあれば慶介は私に会いに来てくれるようになった。
最初は特に気にしては居なかったが、
別に付き合っているわけでもないのに少し束縛されているようで窮屈に思っていた。
私自身、まともに男の子と付き合った事がなく、
これが普通なのか、どうなのかがわからない。
そもそもまだ付き合ってもいないわけで…
これは異常なんじゃないのか?
でも、慶介は良い人だし…
何かすごく嫌な事をされているわけでもない…。
でも…
正直少し怖かった。
そうだ!由香里に相談してみよう!
私はそう決心して、講義終わりに由香里に話しかけた。
「ねぇ、由香里、相談があるんだけど…」
「え?あー…ごめん!今日ちょっとバイトの時間がやばくてさ!また明日でいい?」
由香里は申し訳なさそうな顔をして荷物を持った。
すごく急いでいるようだった。
「あ、うん。じゃぁ…また明日聞いて!」
私は由香里に手を振った。
「ほんっとにごめんね!じゃ!また明日ねぇ!」
由香里は手を振ると走って教室を後にした。
私も荷物をまとめると教室を出た。