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及川徹の(初)恋物語

第1章 及川徹の幼馴染


「ありがとうございましたー!」

今日の部活もおしまい。
今日はみんなの動きも良かったし、目立ったミスも特になかった。

「岩ちゃんおっつかれー!」

「なんだ、機嫌いいな?」

「そーお?いつも通りだよ」

「いや、いつもよりうぜぇ」

「ひどっ!?さ、着替えて帰ろ帰ろ!」




『ねーねー、校門のところにさ____』

『____先輩___よね?____行こ!』


着替えて男子バレー部のロッカーを出たところで、途切れ途切れで女の子の話し声が聞こえてきた。

「なんだすかね、何か来てるんですかね?」

金田一が首をかしげる。

「さぁ?行ってみる?」

校門へ向かうと、校門の前に小さな人集りができていた。

「ん?」

よく見てみると輪の中にいたのは俺のよく知った人物だった。



「 夢乃せんぱーい!お久しぶりですっ!」

「今日は、何か用事っすか?」

「 夢ちゃん変わってないねー!」


え、ちょっと待って。何してんの?
今日って俺と約束してたよね?

「今日はねー。みんなに会いに来たんだー。なんてね」

「 夢乃先輩ひどーい」

「ごめんね」

楽しそうにニコニコしちゃってさ。
なんか、やな感じ。

「あ、徹ちゃーん!こっちこっち」

夢乃が俺に気づいて手を振る。

「誰ですか?」

「 立花 夢乃。俺らが1年の時にマネだった先輩。」

岩ちゃんが説明する。

「ん、岩泉くんもいるじゃーん!一緒なら一緒って言ってくれればもうちょっと気合い入れてメイクしてきたのに。」


「頑張っても変わんないでしょ、...クソババア(ぼそっ)。」

「徹ちゃーん。ちょっと、道の隅ーっこの方でお話しようか?」

夢乃は引きつった笑顔を浮かべる。

「あれ?後ろの2人は?初めて見た。...後輩?1年生?」

「こっちの、ツンツンしたのが金田一で、ストレートなのが国見ちゃん。...で、何しに来たの?母校の後輩に会いに来たの?」

「..さっきの話聞いてたの?違うよ。徹ちゃん迎えに来たの。勉強教えてあげる約束、忘れちゃった?この前言ってた、参考書も買ってきたんだよー。」

「そーいえば、今日だったね。」

なんて、素っ気ない態度を取ってしまう。
夢乃の前だとどうも素直になれない。

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