第2章 rain of reposeⅡ
閉じた筈の瞳。
眠りを妨げる人工的な光も消え、もう少しでまた深いそれにつけるだろう・・・そんなときだった。
「おい・・・」
「ん・・・、・・」
「・・・ッチ・・」
「・・、・・・!!あ・・・ッ」
「おまえは・・・」
「な、・・・に・・ッ、?!あ・・・!んん・・」
誰にだって触れられたくないことのひとつやふたつ・・・。
あった上で触れられれば、それは触れられた人物の気持ちを逆撫でするに十分値するであろう。
悪気など名無しには微塵もなかった。
就寝の言葉を紡いだことを、少しは良いことと思うも束の間、一瞬にして悔いたいと思い知らされる。
「見たのか・・・」
「ッ・・・ナッシュ・・苦し・・、・・・」
「見たのかって聞いてんだよ・・・っ」
「・・・、・・・!あ・・・」
反射神経が人より多く鍛えられていたからだろうか。
背中にぽす、と軽いタッチを感じ、その些細な反動にすら、身体が敏感に反応する。
眠っていた筈だったのは、ナッシュも同じだった。
彼は薄らとまぶたを開けると、そんな状況でも鮮明に、寝落ちた直前の自らのことを思い出す。
そして珍しくこめかみに冷や汗を垂らした。