第4章 ゴールデンウィークと実家とワタシ
カーテンの隙間から入る朝日で
目が覚めた。
ここは夜行バスの車内。
隣に座る
小太りのおじさんは
相変わらずいびきをかいている。
久しぶりに懐かしい夢を見た。
鉄朗と、研磨くんとの出会い。
あの時はまだ
こんなに長く一緒にいるなんて
微塵も思っていなかった。
鉄朗に至っては
まさか付き合うなんて! って感じ。
それでも、
2人との出会いがあったから
私は未だに東京にいる訳だし
鉄朗の彼女を続けられてる訳だ。
私が高校受験を控える高3の夏に
父の転勤が決まった。
再び宮城に戻ることになった。
その時既に
鉄朗とは付き合っていた。
父も母も
受験は宮城の高校にしなさいと言った。
でも、私は絶対東京で受験すると言って譲らなかった。
小学校時代の友達とは
もう年賀状位でしか連絡をとっていない。
それも数人。
そんなほとんど他人の中で
また新たに人付き合いをしていく自信は
私には無かった。