第3章 女の子の香りとオレ
早起きした分
いつもより余裕が出来た。
普段は見てる暇はないけど、
今日はテレビを付けてみる。
爽やかな顔をしたお天気お姉さんが
笑顔で天気予報をしたあと
星座占いが始まった。
「おめでとうございます! 今日の1位は──」
たまたま付けたチャンネルで
たまたま1位で
しかも何をやっても上手くいくなんて
今日はいい事しか起こらないはず!
今日は余裕をもって
登校しようと思い
いつもより少し早く
家を出た。
「いってきまーす」
誰も居ないけど
返事は返ってこないけど
とりあえずいつもの日課。
ポストから鍵を取り出し
玄関の外に出る。
雲一つない空を見上げ深呼吸。
ホント、今日はいい事ありそうだな♪
鼻歌交じりで
通い慣れた道を進んでいった。